聖ヴィート大聖堂 : プラハ

2006-12-05(Tue)

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以下、一部RAWファイルから現像

「ゆく川の流れは絶えずして……」
というのは『方丈記』だが、ギリシアの哲人ヘラクレイトスも川を見て万物流転の理を説いた。
川を見て無常を観じるのは、洋の東西を問わず、どこも同じらしい。
写真はヴルタヴァ川より見たプラハ城である。チェコ橋を渡っている車中から撮ったのでガラス反射が写りこんでいる。

ヴルタヴァ川はモルダウ川という名称の方が馴染み深い。(スメタナの有名な『モルダウ』という曲は、作曲の時点でドイツ語名でモルダウと表記し、後日チェコ名を知って悔やんだという。以下モルダウというドイツ語名を使用)スメタナの交響詩「わが祖国」の2楽章として知られた名曲である。私がチェコと聞いて連想するのはこの曲と、ドヴォジャーク(ドヴォルザーク)の交響曲第8番第3楽章、同じくスラヴ舞曲の数曲。

ここら辺にはあまりそぐわないカンカン照りの日が続いたせいか、どうも予想していたイメージにピッタリしない。プラハは霧が名物だというから、そんなときにでも出直すしかない。

さて「モルダウ」という曲は始まってしばらくすると、フルートによる上昇音型とクラリネットの反行下降音型が呼応する。しばらく類似のパターンを反復させながら進行し、やがて主題が登場する。
この2つの対照となる音型はモルダウ川の2つの水源を表している。
フルートが「温かい水源」、クラリネットが「冷たい水源」である。この2つの水流が交わるところでおなじみの第1主題が奏でられる。(その後も水源のモチーフは響き続ける) やがて大河となりながら森を抜け、草地を通り聖ヨハネの急流で渦を巻き、1楽章でおなじみプラハ創世の地ヴィシェフラド(高い城)のところでフルオーケストラ、滔々たる流れは古都プラハを抜けて、やがて視界の及ばぬ世界でエルベ川へそそぐ。

さて、南ボヘミアの森に端を発する2つの水源とは一体どこであろう。
チェスキークルムロフでまだ大河になる前の可愛らしいモルダウは見たけれど。ふと疑問に思う。
その上流に湖(リプノ・ダム。人造湖)らしいところはある。地図を見ると2つといわず、ブルタヴァと合流する水脈は東にも結構ある。南ボヘミアの森というとき、周囲を覆うシュマヴァ山地と同義であるらしい。2つの水源も恐らく具体的なものではなく音楽的な要素として導入されたモチーフであろう。詮索するだけ野暮な話。


閑話休題。プラハ城については前にも触れた。
その中には館あり、2つの聖堂あり。一際目立つのは二本の尖塔が聳える聖ヴィート大聖堂であろう。

ヨーロッパの石造りの教会は、アーチや交差ヴォールトを利用して建築物の重量をヴォールトの集合体である柱と控壁に逃がし、従来建物を壁によって支えていた制約から解放した。このことにより大きな尖塔を構築できるようになった。ゴシック建築といわれるものである。このことは同時に壁面に自由に窓を開けることを可能とし、ステンド・グラスの製作と光量の確保という恩恵となって表れている。これは構造上の理由によることが大きいが、思想的には『ヨハネによる福音書』の「神は光なり」を具現化しようとしたものである。

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教会の顔:薔薇窓。西のファサードにある。以下、聖堂の内部を部分的に紹介。
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北側。オルガンが据え付けられていた。柔らかな光が心地よい。
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製錬が均一にできない時代のガラスは、ガラス越しに見える風物を味わい深いものにする。

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内陣裏手の床は、歴代の司祭が眠る塋域ということを表している。

1/20 F2.8 Program-AE ISO400 さすがに手持ちは厳しい


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王を表したものだろうか? 馬に跨ったオブジェをあしらった空調窓

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南のファサード頭頂部。西側が完成するまでは、ここが入り口として使われていた。南側ファサードを中心とした外観については、次回のお楽しみ。

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ほかにステンド・グラスなど多くの装飾で埋め尽くされているが、紹介しきれないので省略。アルフォンスミュシャ(ムハ)製作のものは、すでにオンラインアルバムに掲載してあるので、興味ある方はご照覧あれ。


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Tag : 
聖ヴィート大聖堂 プラハ モルダウ 

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