ブルゲンラント:ノイジードラー湖 コウノトリ編
2007-06-05(Tue)
「エスターハージー城 ハイドンセット編」は こちら から
さてこの街に行くことになったのは、少しゆっくりしたかったこともある。世界遺産に指定されたノイジードラー湖(マジャル語:フェルテー湖)があると紹介された。折角だから見に行ったらどうか、と。
そこで連れやら同僚らをサッと「終日バッハウ渓谷:ドナウ川下り」に送り出し、その日ほかにも予定のある者と少しゆっくりしたい者たちだけで、ブルゲンラント州 Burgenland 行きを企てたのだった。
雲行きが怪しい中、車を借りてウィーンを出発。
案の定途中で雨が降り始めた。

Nikon F100 centuria A100-S
AF-S VR Zoom Nikkor ED 24-120mm F3.5-5.6G
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| AF Zoom Nikkor ED 70-300mm F4.5-F5.6G 雨が一時やんだおり、望遠にて写す。 |
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| こちらは雨が降りやまぬころ、車中から写しておいたもの。 ローマ時代の石切場 : ザンクトマルガレーテンの辺りだったか |
視界晴れやかならぬ、ノイジードラー湖。なんと世界遺産である。
周辺の村々にはオーストリア屈指のワインがとれるというブドウ畑が広がる。
ブルゲンラント州がオーストリアに組み込まれることになったとき、湖は半分オーストリア領、半分がハンガリー領になったとのこと。
緑が切れ、上にうっすらと丘陵が見える間に広がるのが湖。
残念ながら湖畔の街までは行けたが悪天候ということで湖の岸辺には立てなかった。もとより中欧にできた巨大な水たまり : ステップ湖である。時代により湖の面積は大きく変化するので岸辺から 1 km前後は葦が広がり、湖畔といえる場所は少ないとのこと。
上の井戸や以下に続く写真が湖畔の街:ルスト のものになる。(このルストと州都アイゼンシュタットはハンガリー王国時代自由都市だったこともあり、現在ブルゲンラント州を構成する7つの群には含まれない憲章都市とのことである)
ヨーロッパではコウノトリの保護が盛んである。ここブルゲンラント州の街 : ルストも保護区として知られている。
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| 屋根の上に巣がある様子 | 最初は雛鳥の姿が見えなかったが、しばらくすると餌を運んで戻ってくる親鳥に雛も姿を見せる |
コウノトリはご覧のように煙突の上に巣を作っている。これは住民が巣を作れるよう台座を備え付けているからなのだが、本来は煙突の上に直接か、もしくは屋根裏に巣を作るものらしい。
この話を聞いててフと思う。
ヨーロッパ人は、煙突とは「異界の出入口」という感性を宿しているのではないのか? と。
コウノトリは赤ちゃんを運ぶ鳥、ということは誰もが知っている昔からの言い伝えである。
それは、これまで「この世には存在しなかった」赤ん坊、つまり異界に属しているものを、「この世」つまり此界とでもいうべき私たちの次元に連れてくる。それには夜の帷が降りた頃、そっと煙突を通ってくる必要があり、その煙突を支配しているものはほかならない、誰かというと、あそこを自由に使用しているコウノトリである、という筋立てだったのではないか。
例えばほかに煙突から出入りするものにサンタクロースがある。これも神性の代理人であるサンタが、神の愛(異界に属しているもの)を伝えに人間界に侵入/子どもたちに接触する。そのために煙突という窓口を使用する、という共通の構造性が見出せる。
そもそも「コウノトリが赤ちゃんを連れてくる」という話はドイツ語圏が発祥で、それがヨーロッパ中に広まったといわれている。この話が上記のヨーロッパ的霊性を語っている可能性はやや高まったといえよう。(笑)
構造人類学者のレヴィ=ストロースにサンタクロースについての著述がある。まだ読んでいないが、この話が載っていなかったら私のオリジナルということになる期待しよう。(笑)
この地域では珍しい、唯一のルネッサンス時代の建物。
Comment
46年ぶりコウノトリ巣立つ(jul.31.2007)
先日からニュースで話題に上っている兵庫県豊岡市のコウノトリ(日本では特別天然記念物)が、昨日ようやく巣立ちしたと報道された。
実に自然状態では46年ぶりことだそうです。野性のコウノトリは40ン年前に絶滅したと考えられているようです。
今後も更なる保護繁殖活動が期待されます。
これで日本の少子化現象も改善されるかもしれない、と個人的には思うんだけど、あまり関係がないかもしれない……。
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昨晩のニュースで、ヨーロッパのコウノトリ保護区として著名な街の問題 としてルストが取り上げられていました。
ノイジードラーについては一言も触れていませんでしたが、コウノトリと良質のワインで知られるこの街が、ここ 1 年で急激に環境が変化した、とのこと。
街周域 1 Kmにわたって広がる湿地帯は、コウノトリの餌を豊富に供給していたが、地球温暖化対策としてのバイオメタノールの原料となる資料畑に変更する農家が急増し、この 1 年の間に急激に減衰したとのこと。
「地球温暖化対策と環境保護が両立しない」と頭を抱える地元住民。
NPO団体が「 1 ユーロづつ出して湖畔の土地を買い取ろう」キャンペーンを実施、環境保全を呼びかけているサマが映しだされていました。
環境保護推進がディレンマに陥る、難しい課題に更めて考えさせられました。
2007-06-26 09:12 | URL | 仁屋番頭 [ 編集]