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万年筆 :: Pelikan Souverän M800 schildpatt-braun


キャップを閉めたところ

information Pelikan Souverän
収納時約 142 mm
筆記時約 167 mm
胴軸径約 13 mm
重量約 29 g
吸入式・18金ペン先
information Camera
modelCanon EOS 5D Mark II
LenseEF24-105mm f/4L IS USM & EF70-200mm f/4L IS USM


万年筆を 1 本新調した。
ペリカン スーベレーン M800Pelikan Souverän 800 schildpatt-braun)である。
仁屋番頭は子供の頃、父から書類、手紙類は万年筆で書く姿勢を見せられた。基本は「ブラックインクで、日用はブルーブラックにしておきなさい」ということだった。

理由は説明されなかったが、父たちの世代は公用文書は消えにくい万年筆で、インクは耐光性・耐水性のある顔料系/没食子系のブラックという社会常識だったらしい。今ではもっといい筆記具もありますので、古き良き時代のしきたりでしょう。私が私淑した父より 1 世代上の大学教授も、お手紙を頂くと必ず万年筆だった。この方は僧侶でもあり普段は毛筆で、地方に行くと掛け軸を見かけることも多い。

父が子供の私に説明してくれたのは上記のようなことではなく、ブラックはペン先を詰まらせやすいので、日用は多少インクフローがよく、取り回し易いブルーブラックにするのだ、ということだけだった。あとは取扱方、手入れの仕方、舶来ものはニブが日本語を書くのに向いていないなどのことを聞かされた。

そんな訳で、昔からいくつかの万年筆を使用し、それほど手入れをするわけでもないのでいくつかをダメにし、筆圧も強いので低価格帯のものは論文一本を書き終えないうちにダメにしてしまう。それで中価格帯のものが何本か生き残っている。


箱の中には簡単なペンケースと、取扱説明書、製品カタログが入っていた。箱は中国製と書いてあり、しかっりはしているが機械式時計などの他製品と比べると粗末としか言いようがない。

いずれも、1970年代~1990年に入る前のもので、興味を持って所有しているわけではないので型名なども分からなくなってしまったが、パーカー、シェーファーと舶来ものだけが残っている。そのほか数年前に、引退する司法書士さんが形見にくれたセーラー――これは非常に書きやすく、現在公用はほとんどこれを使用している。ほかはドイツ人の知人たちがプレゼントしてくれた Online があるが、ほとんど使っていない。ペンケースだけは素晴らしい出来なので使用しているが……。

ただいずれも、かすれが出たり、カリカリと音がしてペーパーを引っ掻いたり、こういう所が昔から気になってしょうがない。返信用のパーカーもブルーブラックの影響で大分傷んできたみたいだし、思い切って新調することにした。

知らなかったのが、万年筆もカメラと同じで、悪くいえば中二病的な、コレクションアイテムと化していたことである。まぁ、でもその方々の知識の半端でないこと。

書類も書きたかったので国産ものを選ぶはずだったが、Pelikan が目に止まった――ウ~ン、ドイツものだ※1 ―― 1 度倒産しているようだし、ペン先も柔らかいというので筆圧の高い番頭には不向きと思ったが、硬系はシェーファーでコリゴリなので、ペリカンを物色し始める。各所に配されたデザインも遊び心があって粋に感じられたこともある。

書き味を確かめるために数日かけて数店舗をまわる。以下はそのうちの 2 店での話。

【店舗で】

銀座某店
品数をある程度揃えている銀座の大手文具店。

ネットで言われるように F ニブでもかなり太い。色は限定品色ボルドーがオシャレだなと思っていたが、M800はすでに無い状態である。(在庫がある店もあったが、製品の取り扱いに問題があるように思われたので、選外にした) ほかに同じ限定生産モデル茶縞もよかったが、EFサイズはないといい、さらに限定モデルはニブの交換が制限されており、将来的にメンテはできないと告げられる。(この発言は問題がある) また試用してみると M ニブはどうもスリップするような感触があり、しっくりこない。緑縞でよかったのだが、この時点で別メーカーでもよいとの考え方に変わる。

日本橋某店
後日、日本橋の某店にいくと、茶縞は在庫で結構持っており、EFニブも用意してもらった。この店舗ではニブは汎用品と同じもので付け替えはきき、調整しながら長期的に所有していくのに何の不都合もないモデル、という返事だった。銀座の某店と言うことがまるっきり逆である。

さて、軸は1つとて同じ模様がないとのことで、最初に手にしたものは軸はシルバー縞が目立って茶の意味がないようなものだったが、書き心地は文句ない。

2 本目は、美しい茶縞だったが、銀座の某店で味わったようなスリップをするような書き心地。

3 本目は、ニブには EF の刻印と裏腹に、文字線は F の太さ。インクの付け過ぎとかも疑い店員さんとあれこれやったが明らかに太く、また軸は黒ずんだ黒檀のような部分が多くお世辞にも綺麗とはいえない。ということでここまで手間暇かけてあれこれやってくれたので、1 本目のニブを 2 本目の軸に換装してもらい、Pelikan をその場で持ち帰ることにした。


お尻にキャップを刺すのがお作法。全長はかなりでかい。

【書き味】
先ず重心が後ろに位置している。
アルファベットを書くペンは、重心が軸上後ろにあり、舶来ものの特徴だとのことである。店頭で試用しているとき、最初は戸惑ったが、軸がやや短く、全体としては 2 回りほど小ぶりな M600 では、重心の位置が掌周辺になり、これはこれで使いにくい。いざとなればキャップをはずして使用することも考え、この点は考慮外とした。試用している最中に、この事はそれほど問題ではないと感じたからである。

はじめて高価格帯の万年筆にしたため、ブルーブラックはとりあえず避け、純正のボトルインク 4001/76 ロイヤルブルー(ケーニッヒス・ブラウ)を吸入。
インクフローは悪くない。またカリカリとペーパーを引っ掻くこともない。ペン先の角度にもよるけれど適正な向きであればかすれもない。ただ色が鮮やかすぎるのと、薄く感じる。このインクは対外的使用には向かないと判断、即日 Edelstein の Tanzanite を購入することにした。

ペン先/ニブ
柔らかいと評判であり、店頭でも各シリーズ試し書きをさせてもらって確認しているのだが、むしろ固く感じる。番頭が所有する万年筆郡の方がはるかに柔らかい。唯一シェーファーが M800 より硬い。これが番頭に合っているのかどうかはもう少し使い続けなければ分からない。

細罫の書類を記入する都合上、EFを選択したが、やや細すぎたようだ。最低 F くらいの太さがなければ、書き心地を堪能できない。取り急ぎ様々な業務上書面をしたためる用があったのですべてこのペンを使用してみたが、悪くはない。日本語に向いていない理由の1つに、ペン先の平研ぎがあげられる。スーベレーンは最近丸研ぎになっているということであり、このモデルも丸研ぎだった。しかしながら、これというほどの感動、感想もない。ストレスがない書き心地といったところか。

【デザイン】
配色はもう少し何とかならない ?!

天冠部のペリカンは、天冠部が数年前に樹脂から金属に変更され、ペリカンは梨地彫りとのことである。蒸着させたプリントかと思ったが、禿げないで欲しいものだ。

【インク】

箱も一部を曲面に仕立てて凝ったもの。なかなか売っているところを見つけられず、購入したはいいが、途中で落としてしまって箱に傷がついてしまっている。

翌日、ペリカン社 エーデルシュタインのタンザナイト Edelstein Tanzanite と純正ブルーブラック(カートリッジ)を購入。
スタンダードのブルーブラックは、ボトルが古典インク、カートリッジは染料系らしい。エーデルシュタインは染料系。色はブルーブラックの方がアンバーよりで、タンザナイトは黒がやや強すぎかなとも思う。

速乾性
乾き方は、パイロット・スタンダードのブルーブラックより早く、執筆中に擦ったりしてしまうようなことはなかった。

裏抜け
裏抜けもニブに寄るところがあるが、特に問題はなかった。

耐光性・耐水性が劣るため、書類の記入について今後使用するインクという点で課題が残る。

※ 1 現在本社はスイスに所在。



【2014.3.12 追記】 この Souverän M800 を使い始めて一月前後、インクの出は順調、何気ない書き心地がいつまでも続く。「硬い/柔らかい」という基準項目で評価を書いたが、どちらかというと軽い書き心地である。それらはインクの特性に負うところもあるのだろう。従来所持していた万年筆を、時折取り出して使ってみると、それらが軸の太さ、重心もあわせてもの凄く書きづらく感じる。当初、なぜペリカンの評価が高いか戸惑ったが、素晴らしいポテンシャルだと感じ入った。

そこでMrs.仁屋番頭にもプレゼントしたくなり彼女を連れて出かけ、たまたま開催していた万年筆展に赴くと、ペリカン社から出向していた営業部のM氏と話す機会を持てた。

このM氏は、物腰、応対がとても素晴らしい方で、Mrs.仁屋は人柄に相当魅かれたらしく、名刺まで頂戴してしまった。

M氏に、上に記事にしたとおり、2店舗のペン先の説明の食い違いについて話を伺ったが、彼はもちろん裏話的なことは一切触れずに、ペリカン社では各部品も供給しているし、それらをどうサービスに使うかは各取扱店の方針で異なり、日本橋某店のように規模も大きく積極的なサービスを行うところであれば、ペン先だけの供給も可能であろうし、一方で銀座某店のような方針が普通の応対であろうと言うようなことだけを示唆してくれた。どちらもホントウのことを言っているようだ。

ついででタンザナイトも好調に売れていて、今後も供給されるかどうか危惧しているネットの書き込みについて尋ねると、すぐに生産終了となる種の製品ではないこと、船便で出荷されるボトルインクは足が遅くて供給量が少ないように見えること、はたまたペリカン社で飼育しているペリカンは2羽居て、1羽がペリカーノという名前であるなど、まぁ、余計なことを聞き出す仁屋である。

Mrs.仁屋にプレゼントをするのに、仁屋番頭はモンブランやファーバー=カステルも候補に紹介しておいたが、結局はペリカンの書き心地が良かったと言うことで、M600のMニブを購入することにした。フェア中でインクボトルのプレゼントがあるとM氏に言われると、迷わずブルーブラックを選択していた。酸性インクの話もしたが、Mrs.仁屋番頭も万年筆はブルーブラックで、と言われていた上に、M氏が金ペンだし、それほど気にしなくても傷むことはないですよ、と助言してくれたためである。ペリカンのブルーブラック(ボトル:顔料系)は発色がよく、色合いはこれ以上明るくても暗くてもいけないというところで品位を保っていてバランスが取れている。

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